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業績が赤字でもM&Aはできますか?

  • 2020.07.09
  • コラム
業績が赤字でもM&Aはできますか?

将来利益の獲得

事業承継やM&Aによる引継ぎを検討されている当社の顧客から「業績赤字でもM&Aはできますか?」とのご相談がありました。これは、多くのオーナー経営者が事業承継やM&Aには興味があっても、その一歩を踏み出せない理由の一つであると思います。


結論から申しますと、「できます。」ただし、ハードルはかなり高くなります。

買い手企業が事業承継やM&Aによって会社を買う目的は「将来利益の獲得」です。赤字会社というのは、日々生きているだけで、お金が消えていく状態ですので、買い手企業からもM&A仲介会社からも敬遠されがちです。これは事実であります。しかし、業績が赤字だから、債務超過だからM&Aできないわけではありません。M&Aができない理由は、「魅力がない」からです。「そんなことはない」と反論されそうですが、例を挙げます。

業績だけではない

プロ野球球団の横浜ベイスターズをDeNAが2011年12月に買収しましたが、当時の横浜ベイスターズは万年Bクラスで業績は赤字の球団でした。しかし、それでもDeNAは横浜ベイスターズを買収する決断をした理由は、横浜ベイスターズに「魅力があった」からです。魅力としては、日本にプロ野球球団は12球団しかないため、プロ野球球団の希少性に魅力を感じたものと思います。もちろん、買収後にチームを強くする、ファンを集客するアイディアと自信もDeNAにはあったんだと思いますが。

もう1つ例を挙げると、ベンチャー企業は事業の不安定さから銀行借り入れが困難であるため、資金は、資本による直接金融によって調達しています。これも業績が赤字であっても、M&A(資本による直接金融は広義のM&Aです)ができている例だと思います。なぜか?それは、行っている事業に「魅力」を感じる投資家がいるからです。この場合の「魅力」とは、ベンチャー企業が上場して株価が何倍、何十倍にもなってくれる期待値かと思います。

内部環境を見直す事

「当社には希少性も、将来の株価が何倍、何十倍にもなるような新しい事業もありません」との声が聞こえてきそうですが、言いたいのは、M&Aができるかどうかは、「魅力」があればできるのです。業績が赤字だからできないということではないということです。

では、どうすれば「魅力」を持った会社になれるのか。
その答えは、自社の内部環境にあります。
自社の内部環境をもう1度よく見てみてください。

・社内に活気はありますか?
・社員は笑顔で仕事していますか?
・自社が売っている商品は、どのように人の役に立っていますか?
・なぜ、顧客は商品を買っているのですか?

従業員、顧客が貴社を選んでくれた理由、それが「魅力」です。売上が上がっている以上、従業員がいる以上、貴社に「魅力」を感じている人がいるのです。その「魅力」が何かを見極め、磨いていくことで、業績も黒字化できます。

そうすれば、業績が赤字だからM&Aできないといった負の思考から抜け出すことができます。

磨き上げ

自社を見つめなおし、「魅力」を探す作業は、面倒なことだと思います。今更感もあるでしょう。しかし、やる価値はあります。見直すことで、「魅力」を発見できます、「足りない点」も発見できます。組織体制、従業員との関係、経営陣の覚悟、社内で蓄積されたノウハウ等々、いろいろな発見があります。

自社でできないと思われるならば、専門家の助けを借りましょう。負の思考から抜け出すには、まずはその一歩を踏み出すことが最も重要です。
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