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自社はいくらで売れるのか

  • 2021.01.25
  • コラム
自社はいくらで売れるのか

M&Aを決断する理由

M&Aを決断する理由で多いのは、①将来に不安がある②現金化したい場合でありますが、では、実際に自社はいくらで売れるのか・・というのは、一番気になるところだと思います。売り手企業にとってのM&Aでの成功とは、希望価額で売却することです。
※余談ですが、当社のポリシーである「経営者の想いを満たすこと」はそれを実現するためであり、「心から満足できる結果を追求すること」が当社サービスの源泉となっています。

しかし、我々が高額な買い物をするときに思うことと同じで、買い手企業はできるだけ安く会社を買いたいといったインセンティブが働きますので、
希望価額で売却することは簡単なことではありません。買い手企業がどのように買収価額を決定しているか、どうすれば売却価額を上げられるのか簡単に説明いたします。

1.買収価額(=売却価額)の考え方

多くの買い手企業では、以下の点を評価しています。
①直近決算期の収益実績
②過去3~5ヵ年の収益実績
③将来の事業計画

①は、現在の収益が黒字かどうか、借り入れはいくらぐらいるのか、純資産はプラスになっているか、保有資産は有効利用できるものなのかを確認するためです。

②は、過去の業績トレンドを見ます。今の収益実績が黒字でも、直近3か年の収益実績が右肩下がりになっていれば事業の収益性が低下している=事業が毀損していると
見れますし、逆もしかりで、今の収益実績が赤字でも直近3か年の収益実績が右肩上がりになっていれば、将来有望な事業の可能性が高いと判断できます。

③の事業計画は、①と②で現在と過去の収益実績から計画値が妥当なのかどうかを判断できます。直近3か年の収益実績が右肩下がりになっているのに、事業計画では右肩上がりになっていれば、その理由を確認する必要があるためです。また、収益見込をどれだけ実際の需要に合わせて積み上げているのかを見ることで当該会社の事業に対する成熟度を判断することもできます。

M&Aに慣れている買い手企業であれば、この①~③を見れば、だいたいの会社の値段が分かります。値付けは、純資産+営業利益の3年~5年分といった尺度が一般的には最も多いです。

しかし、この考え方には、無形資産の価値が反映されていないため、そこの評価によって、買収価格は大きく異なってきますし、M&Aの成約にも影響してきます。買い手企業は、表面的に①~③の評価を伝えて、売却価額を安く抑えようとしているのです。これは買い手企業の戦略上、正しい行動です。わざわざ目に見えない価値を教えてあげる必要はないのです。

2.どうやって価値を上げるのか

買い手企業がほしいのは、会社の表面的な収益ではなく、会社が潜在的に持っている無形資産なのです。この無形資産は、将来獲得できる収益(=超過収益力)に大きく寄与しています。

無形資産とは、以下のものです。

・企業又は商品のブランド力
・顧客基盤
・独自の仕入網
・優秀な人材
・営業上のノウハウ
・独自の業務フローや教育体制
・知的財産権

一般的に大手企業といわれる資本金5億円以上又は負債200億円以上の会社や、東京証券取引所に上場している会社は、この無形資産の価値が非常に高いのです。ですので、この無形資産の価値を上げることで、会社の価値を高めることができます。

決算書に載っているだけの情報(資産や収益実績)のみでM&Aの値段を決めると損をします。この無形資産の評価、構築がM&Aで成功を収める鍵なのです。無形資産の評価や構築には、ファイナンスの理論が役立ちます。当社は、ファイナンスに特化したアドバイザーですので、お気軽にご相談ください。貴社の無形資産の価値算定、無形資産の構築を強力に支援し、M&Aを成功させます。

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