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大企業と中小企業のM&Aの違い

  • 2020.08.26
  • コラム
大企業と中小企業のM&Aの違い

M&Aに違いはあるか

大手企業が行うM&Aと中小企業のM&Aは、株式や事業を売買するという点では違いはありません。大手企業と中小企業のM&Aでは、規模や目的が異なってきます。

M&Aアドバイザーの違い

大手企業のM&Aは、株式や事業の売買金額が大きいため、買い手企業と売り手企業にそれぞれフィナンシャル・アドバイザー(FA)がつきます。専属のFAがそれぞれにつくことで、それぞれの利益最大化のために助言やマネージメントを行っていきます。

具体的には、対象会社の将来事業計画、事業計画の根拠となるKPI(業績目標やサービスレベルを達成するための指標のことです)、得られる事業シナジーを落とし込んで売買価額を決める、売買価額以外の条件を決めるといった感じです。

一方で中小企業のM&Aは、日本では買い手企業と売り手企業の間に立つ仲介が一般的となっています。これは、中小企業のM&Aの取引金額が大企業のM&Aに比べて小さいため、フィナンシャル・アドバイザー(FA)への報酬コストが高くなってしまうためです。しかしながら、買い手企業は”安く買いたい”、売り手企業は”高く売りたい”といったインセンティブが必然的に働きますので双方の間にたつ仲介スタイルは、仲介がどちらか一方の利益に組み入れしてしまうといった利益相反の可能性があるため注意が必要です。

近年、日本においても中小企業を対象としたフィナンシャル・アドバイザー(FA)が増えつつあります。当社もその1社ですが、中小企業も大手企業と同じように利益最大化のための助言やマネージメントのサービスが受けられるような環境になりつつあります。
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M&A目的の違い

大手企業のM&Aは、投資家(既存株主含む)を意識した株式価値の向上のため、収益拡大を目的とするものが一般的です。特に多いのは、市場シェアを獲得してブランド力を向上させることで収益拡大を目指すというものです。市場シェアでNO,1となれば、競合他社より優位に立てることから、企業ごとに市場シェアに対する経営戦略は異なってきます。

例)
 製品、国、地域、年齢、性別といったそれぞれの市場シェアに関してどのような戦略を選ぶのが良いのかを考えて、M&A戦略を立案し、売り手企業に直接アプローチしていきます。

中小企業のM&Aは、キャピタルゲイン獲得(株式売買で得る利益)のM&Aが一般的です。

例)
 事業承継による引継ぎ、大手企業に株式を譲渡して子会社になる、大手企業に吸収合併してもらうといった事案です。これだけを見ると会社存続目的かと思いますが、経営者はその会社から退くことが多いことから、キャピタルゲイン獲得のためにM&Aを行う考え方が主流です。また同時に、従業員の雇用や事業が継続されていくことにもつながっていくことから、M&Aは中小企業にとっても大切な経営戦略の1つになっていると思います。

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