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会社を売却することとは

  • 2020.06.09
  • コラム
会社を売却することとは

会社を売却するということは、経営権の移譲ということです、つまりは株式譲渡が基本となります。

会社の意思決定機関である株主総会、業務執行は取締役会設置会社であれば取締役会、取締役会非設置会社(一人役員)であれば代表取締役、取締役会非設置会社(複数人)であれば基本的には過半数の決定(又は取締役への委任)によってなされるため、これら機関の運営も移譲するということになり、株式譲渡によって株主総会の議決権移譲、取締役の役員交代、又は、専任によって取締役の構成が変わります。そのため、会社売却する先は、会社がこれからよくなっていくため信頼できる相手先でなければなりません。株式譲渡の金額のみを判断材料として会社売却を決定しないことが重要です。

では、なぜ会社を売却するのか?そこにはどのようなメリットがあるでしょうか。

会社を売却することによって得られる最大のメリットは、株主(=経営者)利益の獲得となります。これまで長年手掛けてきた努力に対する株主(=経営者)への報酬と考えてください。報酬は多いに越したことありませんが、報酬だけで売却先を決定してしまうと、大切に育ててきた会社が崩壊する危険があります。会社には、多くの資産があります。それは、固定資産や現預金、取引先、従業員、社内システム、ブランド等です。会社を売却する相手先はこれらの資産を買うことで将来獲得する利益(リターン)を得ることを目的としています。ですので、売却する相手先によっては、リストラや取引先との取引停止などの手段を行う可能性もあります。会社の大切な資産を守るために、これらの資産をどの程度守ってもらうようにするのか?これを決める必要があります。

「続けること」「やめること」「新しく始めること」

会社経営は、「続けること」、「やめること」、「新しく始めること」の3つの判断を適時に行うことで成長軌道にも乗るし、衰退していくものと考えています。会社は生き物であるため、今の状態が永遠に続くことはなく、これらの判断を組み合わせて、成長軌道にもっていく必要があります。会社を売却するから、売却した後は関係ないという考え方もできますが、会社を売却する金額はこれらの将来に対する評価が反映されるため、この点をしっかり作ってあげる必要があります。そのため、会社を売却するにあたっては、「続けること」、「やめること」、「新しく始めること」の3つの考え方によって条件整理を行うことが重要です。たとえば2つの事業があってA事業は「続けること」、B事業は「やめること」、代わりの収益源として「新しく始めること」とすると、次第に売る先の候補が浮かび上がってきます。A事業を伸ばしていける先、B事業に代わる収益源としてA自事業とシナジーがある事業を行っている先といった感じです。又は「やめること」と決断したB事業のみを立て直すことができる先へ売却して、企業価値全体を高めた後に会社全体を引き継ぐ先に売却するといった戦略もいいかもしれないです。

後継者への引継ぎ

もう1つの会社を売却するメリットとして、「後継者へ引き継げる」ということがあります。
高齢になってしまい引退したいが後継者がないケース、経営環境が著しく変わる現代においてこれ以上、会社経営を続けていく気力がなくなったケース、病気等身体の変化によって経営できなくなったケースです。若い経営者に経営を引き継ぎ、さらなる成長につなげていくことは近年ニーズが高まってきております。この場合は、必ずしも全株式を移譲する必要はなく、場合によっては資本業務提携によって、一部株式を保有しつつで、新しい経営者を迎え入れ事業を運営してもらうといった方法もあります。

会社売却は非常に難しい経営手法でありますが、うまく活用すれば経営課題を解決でき、会社の成長を加速させることにつながり、それが会社の価値向上に大きく寄与していきますので
上記のような経営課題があれば、検討をお勧めいたします。

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